呼吸のことを考える⑤-2「お腹で支える」って?

「吐く息」は演奏するために、いろいろな表現をするために、安定だったり、出来るだけ長く続けることだったり、自由に動けることなどをしたい!そのために必要なのがよく言われる『支える』こと。お腹で支えて吹くって何?って思ったこと、ありませんか?

私には自分なりの解釈でつくりあげていった形があって、でもそれが正解なのかを確かめる術も知らず、ただ今までその方法で吹いてきた、ということだけがある。今でもそれは私の方法なんだけど、学びから得た情報は確実に私をバージョンアップさせてくれています。

以前からお腹の支えについて生徒さんに聞かれるのがイヤだった。よく聞かれるんだけど、身体の中で起こっていることは見えないから教えにくい。思っている動きを言葉に出来なくて。。。

それを解決してくれたのが今学んでいること。お腹の支えって何?を言葉にしてみると

「吐きながら行なっている吸う動き」(吸気筋の呼気時における吸気的傾向)らしい。

結果は「吐く」の動きに反発することになるんですが、肋骨がしぼんでくるのを押し広げようとする力や、お腹がしぼんでくるのを身体の内側から押し広げる力、上がってくる横隔膜を下げようとする力。これは全部「吸う」の時に起こることで、吐きながらその吸っていた状態をキープし続けようとすることで、少しずつ、長い時間、安定した圧で息を出し続けることが出来ている。

こんなことが「お腹の支えしっかり!」で起こってほしい身体の動き。言葉に出来るんだ・・・言語化する方法を知って自分のやっていることを考えた時、説明できなくてイヤだなと思う気持ちが自分の中から無くなりました。その人に伝わる伝え方、はこれから磨きたいスキルですが。

私が学生だった時、お腹で頑張る、体重を下に落とす、足を踏ん張る、息の柱、などお腹の支えのことをいろんな言われ方をしたのを思い出すんです。でも、もしかしたら過去に私にそれを言ってくれた先生方は「体重を下に落として」の言葉の意図に「横隔膜を下げる動きをやってみて」だったり「胴体の下の方まで意識をもって使ってみて」が体験的に含まれていたかもしれない。言葉で伝えることの難しさがここにはあって、私も自分がレッスンをする立場になって痛感していることです。

こんな時、誰にでも動きや場所の共通認識がしやすい解剖学用語はとても役に立つことを知りました。用語と共にその役割を知ることもパフォーマンスの役に立つ。

そして気がついたのは、普段の過ごしかたからも見直すことが出来るかもってこと。それは、演奏の動きの中に普段からやっていることもいっぱい含まれているから。立つ、座る、見る、呼吸、歩く、お辞儀、口を開ける、腕をあげる、指を動かす・・・1つ1つの動きを見直してみるのは新しい。だって、とっても繊細な演奏にあらゆる形で関わってくると思うから。

まだまだ進化できる(*´∇`*)