音の跳躍と身体の動き

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こんにちは。最近高音について考えるのがマイブームなひろみです。

私は高校時代、高音が苦手でした。苦手といっても音大受験というハードルがあったから放っておく訳にはいきません。同門の友人がまた上手に吹くのでプレッシャーもありましたが、目標でもありました。受験前には師匠にとても助けていただきながらなんとか曲の中でも音が出て、音程をとることが出来るまでになりました。

大学に入学し、高い音コンプレックスを何とかしたくて、こだわって高い音ばかりがむしゃらに練習した時期がありました。今考えれば根性の世界で、とにかく自分をいじめ抜き限界まで追い込む(笑)その中から見えてきたことも多くあり、そのうちに高音が得意だと思えるようになってきました。

そうして手に入れた自分のやり方に特に疑いは持っていなかったのですが、教師養成コースのバジルさんの授業の中で何度も聞いた「金管楽器のアンブシュアモーションについて」の話から自分の中に1つの仮説が浮かんできました。

「高い音を吹くときと低い音を吹くときには微細だけど確かに違う動きをしている。それはアンブシュアだったり、顎だったり、喉の奥だったり、腕だったり。その動きをもっとクリアにし、意識的に使えたら今よりもスムーズに、今よりも確実にコントロールができるんじゃないか?それは木管楽器にも当てはまるんじゃないか?」

ということ。目の前に壮大なテーマが広がりました。あわわ。。。でも今の私には考えてみたいテーマになりました。

まず私が取り組んでいるのはいわゆる高い音からハイトーンへの動きを観察すること。自分は何をやっているから高い音が出せているのか?どうするとより良く、どうすると当たりにくく、やっている動きと同じ作用を起こしそうな違う動きもやってみたり。教材にはギュンターパッシンのエチュードの中からクロマティックの2度〜8度の跳躍を選びました。練習部分はオクターブ上のGから上の音。

そこから見つけたことは

吹きたい場所は明らかに変わるのに、無意識に同じ場所に楽器を持っていようとしている自分がいたこと。

今までやっていた自分の口周りの微細な操作の半分くらいのことを、他の動きで出来そうかもしれないと思えたこと。

代用出来そうだと思った他の動きは無意識的に今まで使っていた動きと似ていること。

 

私にとっては自分のやっていた動きを自分自身に理屈として説明出来たこと、それを無意識ではなく意識的に取り入れたらより安心して演奏出来るんじゃないかということ、その動きはアンブシュア操作の仕事の区分けにも使えそうなこと

といろいろ実験してみたい項目が出てきた訳です。

「アレクサンダーテクニークをより実用的に使える形にする」

よくアレクサンダーの先生は身体の使い方とか姿勢とかやるんだよね?と聞かれますが、私が目指したいのは良い姿勢を教える先生ではないんです。その先にあるものへのアプローチの方法や可能性を見つけていく、そんなお手伝いが出来る先生を目指しています。