こんにちは、ひろみです。
この4月から、アレクサンダーテクニーク教師(仮)としての実習を始めています。
資格取得のための段階としては最終ステージで、実際にレッスンをすることを通して、今まで学んだ知識と体験をより統合しながら、より受け取りやすく、その生徒さんにとって役に立つ形にすることを目指して・・・いや、今まで見えなかったことが見え始めてきている時間を、生徒さんが驚いたり変化していく姿を1番楽しんでいるのは私かもしれません(๑˃̵ᴗ˂̵)
そんな最近の私がレッスンで気づいたこと、考えたことなどを少しずつブログでもご紹介していこうと思っています。
〈アレクサンダーテクニークを使ったレッスンってこんなこと〉が少しでもご紹介できたら嬉しいです。
この日、生徒さんが演奏してくれた曲(エチュード)は、同じリズムが切れ目なく続き、休符がない!さぁどうやってブレスをしようか、と悩んでしまうような曲でした。
ブレスがうまくいかない、ということは曲によって、場所によっては自分らしく演奏できなくなる危機!生徒さん本人もブレスがうまくいっていないという自覚があり、どうしてかなーと見ていたら、動きの点からいくつかの可能性が見えてきそうでした。
ご存知の方も多いと思いますが、オーボエは息があまる楽器。次に息を吸う前に余った息を吐きだす必要があります。
普段、別の曲では上手くいっている「吐く」が、この時には上手くいっていない。それは吐くことを忘れている、というよりも「吐く」という動作がやりにくい状況にあるように見えました。
生徒さん本人も「吐きたいけど吐けない」と言っています。
ここで改めて見直してもらったのは「吐く」という動作について。「吐きたい」と思った時に自分はどんな動きをしているんだろう?「吐く」ためには何が必要なんだろう?
オーボエの演奏に必要な「息を吐く」は、「はい、吸って~。はい、吐いて~」のような積極的に息を吐き出すこととは違うことをしています。状況にもよりますが、「(身体にかかっている圧を)逃がす」「緩む」「リセットする」という言葉のほうが私にはしっくりくるような動きです。
それをして、新たに息を吸うためには「口を開ける」ことが必要になります。この当たり前すぎる「口を開ける」にブレスの可能性を見つけたんです。
あなたがもし管楽器を演奏する人だったら、どこを動かして(または動かそうとして)口を開け、ブレスをしていますか?
生徒さんにも同じように伺ったところ、上の唇を上に開けることで唇が離れ、ブレスをしている、と。
確かに私にもそのとおりに見えていました。
生徒さんはある意味、自分の思っているとおりにブレスが出来ていた!ということになります。
そこに変化を起こすためには、違う動作をやってみようと思ってもらう必要があります。
〈口を開ける〉
というシンプルな動きは、上顎を上に、下顎を下に動かすことではありません。
なぜなら上顎は頭の骨にくっついている部分だから。実は上顎は頭の一部なのです。それに対して下顎は頭蓋骨にある左右の顎関節にぶら下がるようについています。だから、頭がそのままの位置にある場合、上顎はそのままの位置、下顎を下げることで下唇と上唇は離れることができるようになっています。
油断して顔が緩んでぼーっとしている時やウトウト眠ってしまった時、勝手に口が開いてしまう経験、ありませんか?
そう、下顎は筋肉が緩んだら、その重さでも下がるのです。
これらを知るだけでも、ブレスの時に頭を動かして上唇が上に向いて息を吸う、ということがあまり効率的な動きのようには思えなくなってきました。
頭を動かす、というのは背骨とのバランス(体幹)を大きく崩すということにも繋がります。
何より 「緩むと下がる下顎」 を使わない手はありません!
今まで意識したことのない動作なので違和感を感じていたようでしたが、出来なくはない、と。慣れてくればこっちのほうがいいかも、練習してみます!と生徒さんは言ってくれました。
元々時間的にギリギリな箇所でブレスを間に合わせたい!と思ったとき、より効率的な動きを選択することもできるんだ、という試みから、ブレスについて興味をもって自分を観察し続けてもらえたら嬉しいです!