音を出す直前、どんな準備をしていますか?

こんにちは、ひろみです。

4月はバタバタする季節。あっという間に5月の大型連休が見えてきましたね。どこも混みそう。。。

いきなりですが

〈息を吸ってから音が出るまでに、あなたはどんなことをしていますか?〉

 

ある生徒さんとのレッスンから、私も以前やっていた「音を出す直前の準備」のことを思い出したので、そのことについて書いてみようと思います。

 

アレクサンダーの学校に入ったばかりの頃、息を吸ってから音を出すまでの過程をよく指摘されていました。

それは楽器を構えて息を吸って、それから後の動きのことでした。

「それって必要?」

「それをしないで音を出すことはできる?」

と何度も聞かれるのです。私の中ではその一連の動きは楽器演奏に繋がる動きの一部として認識していたので、楽器を演奏することとセットになっていたものでした。

でも「余計なことをしてる」と言われ続けていたのです。

はぁ??ですよ、心境としては。

 

音楽のレッスンに馴れ親しみ、今までのレッスンとは全く違う文化のアレクサンダーの学校に入ったばかりの私には、オーボエ専門じゃない先生に何でこんなこと言われなきゃいけないんだ!という反発心に似た感情があったのも事実。指摘される前だって普通に吹けていたのですから。

自分の当たり前になり過ぎている習慣に気づいたり、そこを再検討するのってとても難しい。自分が良かれ、と思ってやってきたことを否定されているような感情も起こってきて・・・すごくココは自分と葛藤しました。

でもそれじゃあ自分は変われないという気持ち、進化するための再検討だということ、今持っているスキルを手放す必要はなくて、違うやり方でも出来るかどうかを試している過程にいること、最終的に何を選ぶのかは自分が自由に選べるということ!

はじめは受け入れ難かった指摘も、特に同じ道を歩んでこられた先生方の丁寧なガイドによって耳を傾けてみよう、と思えたのです。

(写真はバジルさんからティーチングを教わる私)

順序に従って必要なことを考えた時、「余計なこと」=「クッと止めるような動き」が無くても演奏は出来ることを知りました。

 

動きのプロの先生たちにはオーボエ吹けないのに私より見えていることがある!

素直にそう思いました。

 

あっても演奏出来るけど、「クッと止めるってことは演奏直前に全身を固めてしまうからまぁ良くないでしょ」

当時の私はそんな認識をしていました。演奏も「動き」だから。

 

もうそのあたりのことは2年くらい気にも留めてなかったんですが、今日ふっとそのことを思い出し、そういうことじゃなかったのかも!と思わせてくれることがありました。

その生徒さんは、かつての私と同じようにクッと演奏の準備をし、音を出していました。

ご本人はブレスのことを気にされていたので、呼吸時の肋骨の動きをより意識的に、そんな取り組みをしている時でした。

 

生徒さんの後ろに立って肋骨の後ろ側を触らせてもらっていたのですが、はじめは少なかった後ろ側の動きもだんだん増えてきて、次はいい音が出そうだな!と期待した正にその瞬間

ガクッと肩が下に落ちたのです。。。

そのタイミングこそ、音を出す直前の準備「クッと整えているその時」と一致していたのです。

 

「ああ、そういうことか!!」

 

私の中ではいろんな情報が繋がり、こんな仮説が出てきました。

その生徒さんはとても熱心な方。オーボエ歴も長く、上手に吹きます。「だから」例えばさっきのように今までより多く肋骨を動かし、空気がより多く入ってきた時、その量を今までの自分でも扱いやすい量に再調整(自分のペースで吹ける準備!)をしていたのかもしれない。

 

もちろん、ご本人にはそんな自覚はなかったでしょう。

でもコレをやってしまうと、もっと自由に吐ける可能性に制限をかけてしまうんじゃないか?

これが今回新しく発見した「クッ」の一面。本当に出ていく息の量を制限をしたいのだったら、いわゆる「支える」ことのほうがコントロールしやすいんじゃないか?

だんだん理屈っぽくなってきましたが(笑)こんなことが頭に浮かんだ私は、昔自分が試したことのある「吸ったままの位置で吹く」を試してもらいました。

間違いなく今日1番良い鳴り!!!

自分の1番いい音をイメージしてもらった時よりも更に豊かな響きを聴かせてもらいました。

 

何かがうまくいかない時、直接的な原因はもちろんあるんだけど、そこを直せばそれっぽく聴こえるかもしれないけれど、せっかく続けてレッスンに来ていただけるなら、そうなってしまったもっと根本に近い原因も一緒に見ていきたいと思うのです。

だから、コンクールの前だけレッスンを受けたら上手くなる、とは思わないで欲しいのです。

それを知っている団体は普段から、特に新入生が入ってくるこの時期からの基礎の大切さを知っています。

それを知っているアマチュア奏者さんは、むしろ本番がない時にじっくりスキルアップに取り組んでいます。

根本に近いところにはカラダの使い方がかなり影響しているので、まずは自分がどんな動きをしているのかなーと自分観察をしてみてください。

上手くいかないことがあったら、その自己観察と共に是非レッスンの先生やアレクサンダーの先生に質問してみてください。

 

このブログも皆さんの「気づきのきっかけ」になれたら嬉しいです(*´꒳`*)

 

追伸:7月21日に新宿にて1日ワークショップを企画中!

演奏の疑問、質問・カラダの使い方・緊張との付き合い方・効率良く練習する・脳科学とアレクサンダーと私(仮)

こんなことに興味のある方、お待ちしています。5月前半にはご案内できるように準備中!是非予定の確保をよろしくお願いします。