先日の私自身の体験から書いてみたいと思います。
先日、仕事を頼まれました。私のとても信頼している方から頼まれたので嫌とは言えません。私を信頼してくれているのが伝わって嬉しい気持ちにもなりました。
それは私にとってはやり慣れていない「オーケストラの管打楽器セクションの分奏」でした。
分奏とはオーケストラの管楽器、打楽器だけで合奏練習をすることです。オーケストラの半分くらいの人数で、細かい構造を理解したり、ニュアンスや音程などを確認したりします。
今までも指導の仕事の中で合奏指導をしたり分奏指導をしたりすることの経験はありました。
今回、今までのお仕事と決定的に違ったのは
その場所が音楽大学の授業だということ
各楽器の隣には私が学生の頃から良く知っているプレイヤーの先生方がいらっしゃること
学生とその先生方を前にして振り慣れない指揮を振り、私の考えを伝える・・・
もうどうしたらいいの???!!!
とりあえず何人かに素直にそう言いまくりました(笑)
そして絞り出すように考えました。プラスになることを。
少なくとも、毎週の授業の中で気づいている情報もある。
自分が好きで得意としている音楽に関することだし、人前で指揮をすることも全く未経験ではない。
今まで沢山のリハーサルを自分自身が経験しているし、沢山の指揮者の方も見てきている。
その指揮者がプレイヤーの誰より曲について深く勉強してきていることや
言葉の使い方はもちろん、何気ない仕草にまで見られていることを意識していることを知っている。
何より先生方含めみんな知っている人だという事実。
それらを踏まえて私に出来ること→準備
スコアを読み込み和声を中心に楽曲を分析。1つ1つ丁寧に確認し、普段からの気づきと合わせて曲のイメージを作り込む。それは私の感覚や好き嫌いではなく(そういうことは指揮者の方のお仕事だから)書いてあることから読めることを中心に。
そんなことをしていたらスコアは書き込みでいっぱいに。ここまでは今までの私でも変わらずやっていたこと(たぶん)
アレクサンダーを勉強していて「自分の在り方について」問われることはとても多い経験をしているところ。
当日の朝、より細かい分析などをしながらやっぱり落ち着かない自分に対してふっと
「自分の在り方の準備をして行こう」
と思えたんです。
せっかく知識を準備していても私自身が舞い上がってしまったら冷静な判断が出来なくなってしまう。
「今のわたしに必要なのは心の準備」
手を止めて、そわそわしている自分に対して安心材料を探すべく自分を振り返ります↓
このそわそわしてる緊張が本番に向けて自分のパワーを高めてくれている。その証拠に、自分で演奏する以上の準備が出来た(笑)
私も皆んなと同じ奏者。頑張っても指揮者のようにいく訳もない。でも奏者としての経験ならいろいろある。そんなありのままの自分で居続けていいんじゃないかな。
指揮台に立った時に求められるのは、私が勉強した成果ではなくって管打楽器セクションの皆んながより演奏し易く理解を深めること。音ではなく「演奏している人」に対してアプローチしてみよう。
座ってこちらを見ている先生方は私の最大の味方。堂々と助けてもらおう。
何より私が音楽を楽しもう。全身で訴えてくる指揮者の方との演奏は私が奏者だったら心動かされるから。
本当に緊張した1日でしたが、指揮台に立ってからは「やるしかない」という本番モードも手伝ってくれ、今出来る精一杯の向き合い方をしてこれたと思っています。
「自分の在り方を準備する」
なかなか心地良くいられました!