合奏とアレクサンダーテクニーク

こんにちは、ひろみです。

コロナ感染拡大が全国的に広がってきているのが心配ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

私たち管楽器演奏者には1人でできることは限られています。だって、基本「単音」しか出すことができませんから。もちろんソロ演奏の面白さはありますが、やはりピアニストや他のメンバーとのアンサンブル、吹奏楽やオーケストラなどの合奏で演奏することで格段に幅が広がりますよね!だから今このような状況で寂しい思いをしている方も多いのではないかと思います。私の生徒さんでも「やっと合奏練習ができるようになると思ったのに再延期になってしまいました」という方をはじめ様々な状況の方がいらっしゃいます。

ある方とはこのコロナ期間、対面レッスンが可能な時には一緒にオーケストラスタディを続けています。まずはベートーヴェンの交響曲作品を順番にやり、次はブラームスを。同じ作曲家の違う作品を続けてやっていくことで見えてくるその作曲家らしさも味わってもらいながら、合奏が再開された時にはぜひやってみたいことを今の時期にストックしている時間になっています。

「ストック」

私はインプットよりアウトプットが多くなり過ぎてしまうと、自分らしい演奏とは遠くなっていきます。「人前での演奏」というのはアウトプットで「練習」がインプットなのはわかりやすいところですが、インプットって決して「練習」だけではなく、音楽を演奏する自分の背景になるもの全てが「インプット」だと思うのです。

見たもの、聴いたもの、体験したこと、考えたこと、感じたこと、自分の奥にある想い・・・そんな自分の背景に沢山あったもの・欠けていたもの・今まで疑問に思っていたこと・自分のいいところ などをじっくり見つめ、次に合奏に参加できた時にはただ「懐かしい!」「新鮮だな!」だけじゃなくって「合奏ってこんな面白さがあったな!」「飲み会のようないい意味で心許せるアンサンブルができるな!」というような近い未来を想像しつつ、ワクワクしながらじっくりインプットする時間。今いろんな事情で1人になってしまって音楽が楽しめていない方、一緒にインプットを楽しんでみませんか?

私は私は3年半、1600時間以上をかけてアレクサンダーテクニークを学びました。社会人になってこんなにインプットに時間をかけられた経験は、自分の演奏についてはもちろん、物の見方や考え方の幅広さや奥行きを改めて知る、という貴重な時間になりました。

自分の枠で考えるということから少し離れた視点に立つことで、自分の生きやすさ、ストレスを逃す方法、目的を達成するための手段を考える力、子育て、教えることなど、自分自身とも以前よりとても仲良くなることができるようになりました!!(これができるようになるのがアレクサンダーテクニーク。かなりの自己観察能力が必要なので時間と練習が必要なのです)

そんなことを書くと「いやいや、楽器が上手くなりたいだけなんだけど」とか「精神論はいいから」とか言われそうですが(私もそう思っていた)私のやってきたアレクサンダーテクニークのトレーニングはほぼ全てが「自分の楽器演奏のために必要なことへの探求」がベースです。私の受けてきたトレーニングを見てきた同期のトレーニーさんは知っているんですが、他の方がもっと基本的な動き(立つ・座る・持つなど)を探求しているときに私はひたすら「オーボエ吹きます!」と言って自分のその時感じている問題をオープンにして、そこから私に必要なことを見つけ出し、助けを借りながら別の方法を体験し(1人でできることと難しいことがあった)その過程で起こった自分の変化を再現する方法まで見つけていく、という練習を繰り返してきました。先生によっては、レッスンによっては、私のやりたいことを無視するような場面もありましたし、言われたことに対して「そうじゃないんだけどなー」と感じることもあったのは事実です。だからこそ、アレクサンダーありきではなく、音楽のための手段として「演奏する方の心に寄り添った方法」ということを大事に伝えていきたいと考えています。

その手段として、動画制作に前のめり中な私です!