コロナ禍を一緒に過ごした卒業生からのメッセージ

こんにちは、ひろみです。

昨年はコロナ禍で始まった新年度。年度の初めから緊急事態宣言で休校。5月になってやっと出てきた「オンライン」という対応にもやはり多くの先生からの反対の声があったことを思い出します。レッスンは対面でやらなきゃ無理、そもそもオンラインってどうやるの??と多くの音楽家の皆さんが思っていた1年前。でも、これしか手段がないから・・・と始めたオンラインレッスンは、今ではかなりスタンダードに近くなってきて「工夫次第でけっこういろんなことができるんだ」という声も多く聴かれるようになってきましたね。

私はその時個人レッスンと合奏のクラス授業を担当していたのですが、レッスンはともかく「合奏の授業をオンラインでなんて無理!」という声が昨年5月時点ではやはり多くの先生からあがっていました。その前からオンライン授業について内容を考えていた私は「とりあえずできることをやってみませんか?」と勇気を出して提案し、具体案を示し、レポート提出だけでなく、なんとかオンライン開講にさせてもらったことを覚えています。

1年間(途中対面開講できた時期もありました!!)継続して授業ができて1番よかったなと思ったことは、やはり大学構内へ来ることができなかったこころ細い時期にクラスのメンバーと顔を合わせることができたことや、話ができたこと。今まで当たり前になっていたこれらのことを突然奪われた学生はやはり不安でいっぱいで心身の健康が保てなくなってくる子も実際いたんです。こんな時、やはり話ができる場所があると「自分だけじゃない」「話を聞いてもらえる」「友達から元気がもらえる」「お互いに気にかける機会ができる」とクラスならではの良さはあったかと思います。

授業内容のほうも、普段そこまで細かくできない分析を生徒にやってもらったり、それを演奏してみんなに聴いてもらったり、演奏で真似をするというような合奏で使えるスキルを細かく取り出して練習する、というようなことをやってみたり、それを「音」にするためにどんなことが必要なのかを知って実践してもらったり、となかなか毎回面白いことができたように思っています。

その効果を感じたのは、対面授業ができた期間。リモート授業で取り組んだ曲は対面合奏でもとてもスムーズに、そして何度も練習していたかつての授業の時よりも深く理解してくれていたような演奏が聴けてとてもうれしかったんです。ただ、その時には音楽とは別の問題「楽器を響かせる」とか「空間を演奏に取り入れる」ということがとてもよく出てしまっていたんです。(このことは以前別の記事にしたのでよかったら読んでみてください)

自分にとっての「あたりまえ」を普段から意識の中に取り入れることの重要性を改めて感じた経験でした。

そんな新しい取り組み満載の昨年度、一緒に試行錯誤してくれた生徒さんからいただいた文章を載せさせてください。(本人から掲載の許可はもらっていますが、個人情報に配慮して途中少し省略をしています)何ができたかはわかりませんが、とにかくやってみよう、というところからこんなに受け取ってくれた生徒さん。やってよかったな、と心から思いました。年明けの授業から最後までが再びリモートになってしまったので、最後に合奏動画を作って限定公開をした、という取り組みもしたので、その感想ももらっています↓

お忙しい中、企画の考案、編集など本当にありがとうございました。全員で集まって音を出せない状況のなか、新しい試みでまた違った気づきや思うことがあり、やらせていただけて本当に良かったなと思います。この1年間は、今までと全く違う形態で授業を進めていただいておりましたが、だからこそ得られる情報や感情をたくさん見つけることができました。

身体の使い方や、吹く前のストレッチなど、先生に教えていただいたことはこれからも取り入れていきたいですし、これからさらに楽器を吹く中で、授業のことはもちろん、板谷先生に教わったたくさんのことを活かしていきたいと思います。

授業を通して、自信のない私をいつも励まし、温かく見守ってくださり本当にありがとうございました。たくさん相談に乗っていただき、たくさんのお心遣い、素敵なお言葉をいただけたことは、私のこれからの人生においても非常に重要で、忘れることなく苦しい時にはまた再度励まされることになると思います。いつもいつも本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。次にお会いした際には、成長をお見せできるように音楽に真摯に向き合って、これからも頑張っていきたいと思います。

高校時代に部活しかやってこなかった私は、基礎も何もかもが不安定で、楽器をを吹くことにまだ全く慣れてはいませんでした。それでも、ただ音楽を通して歌うことが大好きでした。先生にも以前仰っていただきましたが、歌うという心の下の土台が真っ新だっただけに、上手くいかないことに躓いては、すぐに落ち込んでしまう性格で、心の底から楽器が嫌になった時期もありました。そのときにかけていただいた言葉で、ずっと全力疾走ではいられないから、休憩も必要だよ。という言葉がとても心に残っています。先生は悩むことが決して悪いことではない、むしろ良いことだよ。ということを誰よりも強く教えてくださった先生でした。その言葉に心が軽くなり、救われたことを今でも覚えています。

私のたくさんの小さな悩みに、毎度本当に真摯に向き合ってくださり、アドバイスをくださってありがとうございました。これからも、自分の良さや強みは忘れず、楽しく音楽に向き合っていきたいと思います。また行き詰まったときは、先生の言葉を思い出して、強く一歩を踏み出せるように頑張っていきたいです。

もったいないくらい素敵な言葉をありがとう。

大人にとっても大変な1年でしたが(現在進行形なのが本当に悔しい・・・)やはり子どもたち、学生の皆さんにとっての1年は本当に多くの経験ができる成長の時期。そんな時期に「できません」「諦めておとなしくしてて」ではなく、もっと建設的な時間を、機会を作ってあげたいと心から思った1年。教える立場だからとかでなく、人と人として深く関わり、何か役に立てたことがあったならとても嬉しく思います。

他にもメッセージをもらった学生さん、たくさんいるんです。またの機会に紹介させてください^^