私のリードたち リード製作について 2

こんにちは、ひろみです。

「オーボエ奏者はリードが作れて一人前!」

なんて以前(私が学生時代)はよく言われていました。まぁ作れたほうがより自分好みにこだわって作ることができるし、設計や材料など選べる幅も格段に広がります。でも、満足いく演奏ができるリードが作れるようになるまではなかなか時間もかかります。。。今はかなり良いリードが買える時代にもなりました!作るのはプロにお任せして自分は演奏に集中したい、そんな選択もアリだと思います!!

でも少し削ってみたいなぁ

調整できたらなぁ

もう少し自分好みにしたいなぁ

復活しないかなぁ

買っておしまいなのがリードではなく、日々変化するリードに対する要求は尽きることがないのが演奏者。そんな時に少しだけでもリードが調整できる技術があるといいなと思う方も多いはず。リードってどうやって作るんだろう、を知りながら自分のやってみたい段階からチャレンジしてみるのはいかがでしょう?

という訳で前回の続きから

これが丸材

この丸材をまずカッターで割ります。よく三ツ割にすると言われる工程ですが、私は良さそうなところを選んでカッターで割ります。1本から無駄なく3枚使いたいものが取れたらかなりラッキー、取れても2本か1本。全く使いものにならないもの(捨てる)のほうが多いのが現状です。

これから使うガウジングマシンの径と合ったものを使います

どんな基準で選んでるかというと、まずは径。これからガウジングというカンナがけみたいな作業をするため、そのマシンにきれいに乗せられるカーブのものしか使いません。

次に硬さ。柔らかいものは使いません。これは割る時のカッターの刃の入りかたでなんとなくわかります。割った後にもねじったりしながら硬さをみます。

あとは見た目。繊維がぎゅっと詰まっているもの、表面に艶のあるもの、材の色などを見ながら選別します。私は黒っぽい模様が入っているかいなかは気にしない派です。

割っただけのもの

ある程度選別したら同じ長さにカットして再び選別。あくまで私の基準ですが、「迷ったら使わない」を徹底してます。材料、もったいないんですけどね。。。このもったいないを作り続けると、時間と労力はかかるのに最後完成した時のリードに対する満足度が下がってしまって自分自身のモチベーションが下がるんです。最後にどんな工夫をしたとしても、良い材料のものにはかないません。だったらはじめから選ばない!このやり方で作れば完成した時に吹きたいと思えるリードが安定してできるから頑張って作る!作ればできる!そんな自分のモチベーション維持のための作りかたを採用しています。

ガウジングマシンを使う時はいつもゴミだらけ・・・

私は生徒さんやレッスンしたことのある人、知り合い限定でリードを作っています。基本的には材料やリードの設計は私が使うものと同じなので(万人に吹き易いと言われるようには作っていません)その中でできたリードの個体差「個性」に出会うと、この方こんなリード好きそうだなと生徒さんの顔が浮かびます(笑)そんな個性ごとにストックしておいてご要望があった時にお譲りしています。

ガウジングマシンでカマボコという形に加工したもの

この作業をしていたら小学生の息子に「職人みたいだね」と言われました。実は舞台でキレイな衣装を着て演奏する演奏者のイメージとは全く違う一面があるんです!