自分に合ったウォーミングアップって?

こんにちは、ひろみです。

生徒さんから

「いいウォーミングアップを教えてください」

と聞かれた時出来事が印象的だったので書いてみます。

ここでとりあえず私の考えややり方を伝えるのもアリなのですが、今の生徒さんにとっていいと思える・使いやすいアイディアにするためには、生徒さんの現状や環境を聞く必要がどうしたって出てきます。なので

①あまり時間が取れない時(何分を設定するかも含めて)のウォーミングアップ

②たっぷり時間が取れる時のウォーミングアップ

の2つのバージョンを考えてくる、という宿題を出してみました。この日はここから続く話になります。

早速、どんなことをやっていたかを教えてもらいながら話をしていたのですが、そこには

「自分はこうやっている」

の話に混じって

「有名プレイヤーがテレビでロングトーンに時間をかけてやることで自分の音をつくっていると言っていた」

とか

「指をほぐすためにコノ動きの練習をした方が良いと聞いた」

と。良さそうなやり方はいろいろ知っていそうです。

 

じゃあここで質問です!

「ウォーミングアップって何のためにやっていますか?」

 

この日、生徒さんは

・リードの調子を上げていくため?

・息のこととか?

・調子を見るとか?

と言いながら考えていましたが、皆さんはどう位置づけていますか?

 

ここでは、ウォーミングアップと基礎練習は別物、として考えることにします。基礎練習ではなく、ウォーミングアップに焦点を絞ることで、自分にとって必要なことを見つける作戦です。

この方は5分〜10分程度のウォーミングアップの後オーケストラの練習が始まることが多いです、と話していました。

それまでに楽器を吹いてきている時はいいけど、吹いていなかった時に何をしていいかわからないから、とりあえず全部の音を出してみる。でも息がなんだかうまく入っていかない。。。と。

 

では再び

「ウォーミングアップって何のためにやっていますか?」

 

今の私が答えるなら

・今日のリード、楽器の調子を確認する

・これからやりたい演奏のために必要な筋肉を活性化させる

・自分全体の調子を知る

の3点かな。これをどのくらい丁寧に、順番に、幅広くやるのかで時間の長さは変わってきます。

自分の調子をみていると、その日の自分に必要なトレーニング(基礎練習)が見えてくるかもしれないし、これから取り組む曲のためのトレーニングも含めることができる。時間が許すなら、丁寧にやっていきたいところ。

でも、この生徒さんのような「少しの準備ですぐ演奏」という場面も実際には多いと思う。そんなときのアイディアとしての提案。

 

ズバリ「インナーマッスルの活性化!!」

 

楽器を置いて、3分一緒に動いてもらいました。腹筋、背筋、、、いや、そんなトレーニングではありません。立っているだけなんですが、いろんな立ち方を真似してもらいながら3分。2人で軽く汗ばんできました。

この後に、この日2回目のスケールを吹いてもらいます。

 

「!!!!!!!!」

 

あまりの響きの違いに生徒さんはもちろん、私も驚いてしまいました。音量も単純に倍くらいには聴こえます。生徒さんのこの日の場合は、筋肉が発動しやすい状態になかっただけ、だったんですね。

このように、目的を考えてウォーミングアップを組み立てると、やりたいことに直結することが改めてわかります。もしこの方がレッスンまで自転車で来られていたら、このウォーミングアップは効果がなかったかもしれません。指が速く動く曲に対してのウォーミングアップをしたい、という目的だったとしたらもっと別のやり方を考えるでしょう。というように、いつも同じやり方だけでないと思っています。

でも、一方でいつも同じやり方を続けている自分もいます。でもそれも全く同じではなく、自分のその時のこうしたい!に添いながら起こっている(はずの)繊細な変化を、継続することで大きな変化にしたいと願っているから。数年前までやっていた「自分を保つための練習」とは全く違う、気持ちも前向きになるやり方です。

 

クイックウォーミングアップのためのエクササイズが思った以上に効果的だったので、生徒さんの目はキラキラ。レッスンの最後まであの魔法が(笑)忘れられなかったようで「すごかったです!!」と興奮気味。

それはとても嬉しいことなんですが、じゃあいつもクイックでやればいいんだ!とは思って欲しくないのです。こんな場合にはこんな方法もあるよ、という1つの手段なだけ。

じっくり音と向かい合いながら、繊細にカラダに動きを覚えさせながら少しずつ可動域を広げていく、という練習も時間を取って丁寧にやってほしいのです。

時間はかかるんですが、鍛えながらもより繊細なコントロールが出来る、より良い質が身についてくるはず。

いつも創っているその「質」をクイックで出せる方法として使ってもらえたら、というレッスンでした。