こんにちは、ひろみです。
今回のタイトルは生徒さんからの相談内容。もちろんわたしにも経験いっぱいありますΣ(゚д゚lll)
「なんか、ここ吹きにくいんだよなー」
曲の中でこんな箇所に出会った時、ただやみくもに何度も練習するだけじゃなくて
「どうしてここは吹きにくいんだろう?」
と立ち止まってみることは必要です。何度も反復して練習すればそのうち出来るようになる、を繰り返しているだけだと、うまくいかないことを覚えるための反復練習になってしまいます。そんなこと、したくはないですよね。
だから、そんな時はよーーーーーく自分がどんなことをやっているのか、自分で自分を観察してみましょう。
・すんなり動く指と動かない指は何が違うんだろう?
・同じ動作をやっている右手と左手は何が違うんだろう?
・どんなことを考えていた(考えていない)時にうまくいってるんだろう?
・うまくいってるとき(いかない時)の姿勢の違いって何かあるかなぁ?
・呼吸の仕方とやりやすさに関係はあるかなぁ?
(ここで見つかる原因らしきものには本当に多くの要素が含まれるので、なかなか前に進めない時にはレッスンなどで客観的に聴いてもらえる機会があったほうが断然解決への道は早いです!)
今回は、つくりたい音楽と動きの関係を見ていた生徒さんとのレッスンでのことを書き残しておこうと思います。
レッスンにもってきてくれた曲の中に出てくる上のH(シ)の音がうまくいかない(音程や音色が気に入らない、不安定)というお悩みでした。
まずはやりたい方向性の確認。このフレーズ、どう表現しましょうか?というところ。
次に、そのフレーズが流れ続けるためにどうやって息を使っていこうか、という実践。細かい音を省いて、幹になっている小節のはじめの音を繋いでフレーズをつくってもらいました。
最後に、息はそのまま実践してもらいながら、指だけ楽譜通りに吹いてもらいました。
それらをやってもらいながら私が気になっていたことは、生徒さんが問題にしていたHの音の出し方。何度も吹いてもらったんですが、決まったパターンが見えずに不安定。私に見えていたのは、同じ音を出したいのにある時はリードを前に出し、ある時には少し深めにくわえていたりしていたこと。少しそのあたりについて考えていることを聞いてみることにしました。
お話からわかったことは、私が見ていた相反するような動きは生徒さんが意図的にやっていたことではなかった、ということ。
じゃあ、ということで、Hの音だけを理想に近く吹くためにはどんなことをしているんだろう?というところに戻ることにしました。1音Hを狙って吹いてもらったんです。
これでわかったことは「理想の音を出すためには少しプレスが必要かも」ということ。(あくまでこの生徒さんの場合)音程も下がり、音色も暗くなってしまうことを本人も気にしていて、その時に「緩み」が起こっていたのでした。
「じゃあもっと唇を締めて吹いてみて」じゃ解決しないのは明らかでした。それで出来ていれば、コントロールの範囲で自分でもそれをやろうとしていたはずだから。
「でも、なるべくプレスはしたくないんです」
そんなことを考えていたら、生徒さんからこう言われました。
「プレス」のやり方はギュッだけじゃないよ!
それを知ってもらうために、プレスの仕組みから考えられるバリエーションについてお話をさせてもらいました。
リード周りの唇だけで(実際には唇だけ、なんて有り得ないから主に、とか意識的に)プレスを作らなきゃ、としようとしていたことにも気づいてもらえて、それが起こっていた原因も自身で見つけることが出来た、そんな時間になりました。
実際に起こっていることは生徒さんにしかわかりません。
「不安定になった時に唇で楽器のグラつきを支えようとしていたのかもしれません」
と生徒さんに言われ、そーだったのかという感じでした(笑)
起きていること、見えていること、聴こえていることはわかりやすいけど、その裏に当たり前のように存在していた考えにまで目を向けてもらえたことで、その生徒さんに必要な改善策が見えた瞬間でした。
「楽器は腕の方で支えられますね!」
その一言でうまくやり方が再統合されたようでした。その後は何度吹いても笑顔がこぼれます!!聴いていてもとても安定していました。
ある程度上達してくると、自分の中には当たり前になってしまっているやり方があります。その裏にはそのやり方を肯定している考え方もあります。
でもそのやり方の中でうまくいかないことが出てきたとしたら?
その時には、他のバリエーションを探すチャンス!より良い、より快適なやり方が他にも在るのかもしれません。
そんなことを私自身も実験中です♪