イングリシュホルンの重さ

普段オーボエを吹くことが圧倒的に多い私にはイングリシュホルンは吹く度に重く感じます。時間が長ければ長いほど重さを感じて腕がピキーンとしたり、何日も続く練習、本番があった時には痺れてコントロールを失った経験もあったりします。

本番もあるので今日はその腕にかかる重さ問題にアレクサンダー的解決があれば知りたいと思い、ジェレミー校長にみてもらいました。

私がこの悩みを言って1度吹いた後にジェレミーに「吹いてる時に親指がやっていることは何?」「他の指がやっていることは何?」と聞かれてきょとん、となった私。「言葉で説明して」と言われてもあまりにも自分にとって当たり前すぎてすぐに言葉にすることができなかったんです。

「親指は楽器を持ち上げて・・・いや、違う、楽器の重さを受け止めてる」「他の指は演奏の準備のために押さえるキーのすぐ上でスタンバイしてる」

言葉にするだけで、自分の動きが自分の中で明確になりました。ジェレミーのやりたかったことはこれ。正解を引き出したい訳ではないんですよね。

実際コレをアレクサンダーさんの発見(頭と脊椎の関係が身体全体に影響を及ぼす=頭の位置や重さ、それについていく身体の動き方、上の流れへの意識など)と共に意識して吹いてみると・・・腕に感じる重さや張りの質が変わる。長く吹いても前ほど重さを感じない。

レッスンはここまで。良かったね、で終わったんですが、私の中では知ってたことしか言われていなくて何でこうなっているかも自分の中で納得いってない、モヤっとした気分で帰ったんです。その帰り道、そのことを考えていた訳じゃないのに急にはっとするようにわかったことがありました。それは↓

私やっぱりわかってなかった。。。

やっぱり「重い」って思って親指で持ち上げようとしてた!あの時言い間違えたんじゃなくて私、たぶんそうしてた。

楽器の形が違うからそれに自分をもっていって合わせようとしてた!アレクサンダーさんの発見を思い出した時に明らかに構えの動きが減ったから。

その結果、腕の仕事や角度が変わっていた。自分で意図したことではなかったのにラクな方に。これが協調した動きから出てきた無理の少ない位置ってことなのか??

新しいことが無いと思っていたのに新しい体験をした私。やっている動きには「質」があることを実感した体験。音楽に繊細な表現を求める時も同じように「意識的にそうしてること」が求められると思う。「なんとなく」からは繊細さは生まれない。その時考えていることの他にも既に自動的にやっていることも多くて、そうじゃなかったらたぶん表現は出来ていない。全部をその瞬間に意識、なんて無理!!

でもより繊細に追求するなら、その自動的にやっている部分を1度言葉で自分に説明出来るレベルで確認することも役に立つ。そこで実はわかっていなかった事実も、理解が間違っているかもしれないということにも、気づくことが出来る。1度確認していれば、その瞬間は意識できていないと感じても頭は覚えておいてくれている(らしい)

今日はそんな体験をしたレッスンだったって思ったらとってもすっきりした気持ちになりました(*’▽’*)

無意識に自動的に回路を使い続けていた私に、痛みや痺れは何かを教えてくれている。このままでいいの?って。

意識的に、という追求は長い道のりだけど、見えてくるものが沢山あります!!

(初めはこの人、何言ってるの?って思ってました、私💦)