パフォーマンスを上げたい自分と邪魔をする自分

『全力で音楽がしたいのに身体のことを考えるなんて・・・音楽にもっと集中したいのに!』

アレクサンダーを知ってその知識や経験はとっても役立つと確信していたのに、なぜか心の中に長くあり続けていた疑問。

昨年夏に初めて受けたジェレミー校長のクラス。「感覚を探しにいかないで」と何度となく言われた言葉が理解出来ず、こうやって演奏してきたんだ!という想いとぶつかってどう受け止めていいのか全くわからず戸惑っていた私。

その頃の私の吹き方は今思えば「調子良く吹いている自分を思い出すこと」だったのかな?良い感覚を呼び起こす、的な。

毎日基礎練習と称したウォーミングアップをしっかりやらないと気が済まない。それは自分の向上という目標のためだけではなくて、それだけ時間をかけないと操作し易い自分になれなかったから。そしてそのことを私自身は知っていたから。時間をかければ思い出す自分の身体。

その時間をかけながら、私は楽器を吹くための身体の使い方を探していたんだなー。

あ、毎日上手くなりたいと思っていながら、毎日以前経験した良い状態を思い出すような練習の仕方をしていたってことに気づいたんです。

これじゃあ新しいことは起こらない。

今、演奏しようとしている私に必要なことを考える。

まずは『さあ演奏しよう!』と思った時の自分が持っているエネルギーをパフォーマンスに最大限生かす方法にアプローチ。

これがシンプルにいかないこと、多くないですか?

私はそれは程度こそいろんな場面がありますが、全部緊張のせいだと思っていました。アレクサンダーテクニークで思考がパフォーマンスに与える影響について考えてみた時、今まで思ってもなかった緊張問題に隠れた思考・・・気づかないうちに自分で自分を否定していたり、心の底で言い訳していたことが演奏したいというエネルギーを減らしていたのかも、という気づきがありました。

「今日の調子はどうかなー?」

「今日まだあんまり音出してないんだよねー」

「このリード、いまいちだわー」

「練習したけどこのフレーズ、大丈夫かなぁ」

こんな思考が吹く直前にふっとやってくることがある。どんなことを思ったって自由なんだけど、この勉強を始めて自分を観察してみると面白いことに気がつきました。

私はこんな時、自分が今から演奏したいというパワーを自分にもっていかれてる。

この考えが自分の演奏にとってプラスになるとは思えない。なのにやってくるこの思考。吹けないほど緊張している訳ではないんだけど、エネルギーを注ぎたいのにマイナスしてしまっている変な状況。

本当は良いパフォーマンスをしたいから、演奏へ向けたパワーをいっぱいにして吹き始めたい!!そう思える別の思考を自分にあげてみる。

まずは自分のままで音楽に向き合う。

そんな自分がやりたい表現を思うことだけではなく、身体の原理から具体的な方法を知っていく。

ただ解決策を手に入れる手段ではない、心と身体が音楽に寄り添えるための手助けになるアレクサンダーテクニークの使い方を自分に対して実験中、まだ1年弱ですが以前とは全く違った快適さがあります。

声が出なくなってしまっても演じることを諦められなかった俳優、アレクサンダーさんが自分の身体や心と徹底的に向き合いながら声を取り戻すことを目指し、発見した原理。

情熱を持って取り組んでいる人ほど練習を繰り返し、技術もクセも自分のものになる。

そんな人のクセは今の自分を作ってくれた大切なもの。でももしかしたらそれに代わる効率的な方法も今の自分なら選択できるかも!

大人になってモノの見方、考え方が固まってしまった(私はそう思っていた)自分が演奏を快適にするワークを通して自分の見方、考え方が広がっていくのを感じています。

技術の向上とそれを通して自分を見つめ直してみる。興味のある方は一緒に探求してみませんか?

 

現在アレクサンダーテクニークそのもののレッスンは提供できませんが(資格取得中につき)演奏家としてアレクサンダーさんの原理を使ったレッスンをやっています。アレクサンダーテクニークってどんなことやるの?という皆さんと少し前まで同じラインにいた私ならではのレッスンに興味がある方はメールにてご連絡をください(´∀`*)

hiromitayapob@gmail.com