呼吸について考える⑤楽器を演奏するための「吐く」

「じゃあ楽器を吹く時どうやって吐く?」ということ。

まずはお断りを。興味を持って見てくださっている方はきっと身体の使い方について考えたり感じたりしていることがあるんじゃないでしょうか?動き方の考えは今のあなたの地点から考えていく動きのことなので、1人1人受け取り方には違いが出て当然なんです。あれ?この考えは私にとって新しいかな、と思ったことがもし見つかったら是非取り入れて実験してみてください。

演奏する「吐く」は生きる機能の吐くでは足りないから普段の吐く動きを大きくすること。そこに安定も加えたい。でも、まず生きるための呼吸もこの中に含まれていることは忘れない!(私は忘れてしまうこと、いっぱいありました💧)

「吐く」ために私たちの身体がやっている動きは、肋骨(あばら骨)の間の筋肉が収縮(ちぢむ)して肺を圧迫する動きと、その下から骨盤までのすべての筋肉が収縮して横隔膜を上に押し上げることで肺を圧迫、この2つが同時に起こることで私たちは息を吐いています。その動きが大きいほど吐くことをたくさんやれるってこと。

「肋骨から骨盤までのすべての筋肉の収縮」を簡単に言えばお腹まわりの前、横、後ろの筋肉はもちろん、そのもっと下まで含めたけっこう広い範囲の筋肉ってこと。肋骨の間の筋肉も合わせると、胴体全部が使えるってことを意味していて、お腹の前側だけに頑張って!と指示を出すよりずっと強力。もっと下の意図は、骨盤の底には骨盤底筋という下がってきた内臓を押し戻すとても強い力を持つ筋肉があるらしいのです。でも、筋感覚のないところだから感じることが出来ない。ただあることを信じて、そのあたりまで意識の中に含めてみるってだけでいいみたい。

これで吐く運動としては完成なんだけど、私たちの興味があるのは運動のほうよりその結果の息のほう。だから息の流れのゴールを知っておくとより効果的。意識している時となんとなくしている時の違いは音楽も、スポーツも、普段何に取り組んでも共通することだなって思うから。目的って自分のやるべきことをはっきりさせてくれるとこ、ありません??

息のゴールは口の中の柔らかい天井、軟口蓋を目指してみるのが新しかったら是非試してみてください。リードだったり、マースピースを目指した時は?自分は普段どこを目指してる?いろいろやって違いを感じてみるのは面白いのでオススメです。