素敵な曲Richard Strauss を練習する

こんにちは、ひろみです。

まだまだ感染拡大が続いている状況を考え、演奏活動もレッスンもオンラインが中心にはなっていますが、対面レッスンも対策を取りながら細々とやらせていただいています。

自宅があるのは神奈川県の端、車で30分も走れば箱根の観光地に行けるような場所ですが、少ないながら近くでも感染が出ているようで安心はできない状態。国の政策も迷走しているように、経験のない感染症との共存。歩みを進めるための可能な限りの「対策」と「判断」が大事な局面であることは国家も個人も同じですね。

そんな中レッスンを受けてくれた生徒さんからレッスンの後に「以前から吹いてみたかったリヒャルトシュトラウスの協奏曲にチャレンジしたい!」と連絡をいただきました。こんな時期にも関わらずいつでもやりたいことがいっぱいのこの生徒さん、お仕事もお忙しい方なのに音楽の時間はちゃんと確保し(朝練をされてから出勤されているのです!)楽しみながら学び続けていらっしゃいます。次回どんなシュトラウスを聴かせていただけるのか、楽しみです!!

そんなこともあり久しぶりに私もシュトラウスをさらっているのですが、その録音を毎回撮って、聴いて、また吹いてということを繰り返しています。よくやる練習なのですが、練習の段階で1回1回しつこく録音するのは久しぶりな気がします。

(練習の録音は普段から生徒さんにオススメしていますが、なかなかやってもらえていないようで。。。でも録音は、自分のやっていることと実際に出てきている音を一致させるための大事な練習なのです!!)

1回1回録音してみて思ったのは、吹いていて感じた問題点よりももっと大きな問題点が聴こえてくるんです。主観で練習をしているとどうしても「自分が」気になった箇所にフォーカスしてしまいます。気になったんだもん、やるでしょ!!私もやります(笑)でもうまくいっていない理由はいろいろあるので実は気づいていないことも多くあったりします。私たちが意識できることは実は知っていることのほんの一部でしかない、というのは脳科学的なお話だったり。

それに気がつきやすくなるには「客観的に聴く」ということ。その点で録音はとてもいいです。もっと言えば「録音を聴く自分」の聴き方についても注目してみると、演奏したときの感覚や気になる箇所への感情を外して聴けているときのほうが逆に発見は多い気がします♪

繰り返しそこを沢山練習するという反復練習は動きを習得する(新しい神経回路を構築)・筋力アップという意味では絶対に必要な練習ですが、ここで勘違いしたくないのは「沢山やればできるようになるというワケではない!」ということ。間違えることを繰り返してしまうとむしろ「よくない動き」を練習することになってしまいます。(このことについての脳科学的アプローチについては脳科学者の生徒さんと以前開催したWSでお伝えしています。興味がある方はレッスンなどで聞いてくださいね!)

 

練習をしながらあれ??と思ったのでメモを。

【問題だと思っていることに直接アプローチするのではなく間接的にアプローチをすることが解決につながる】

【部分的なことに目を向けすぎず、全体を良い状態にすることを目指す(具体的なやり方があります)】

【自分の感覚ややり方で判断する危険を知っておく(新しいことは今までとは違う感覚を伴うことが多い)】

これはアレクサンダーテクニークの原理・原則の中にある考え方なんですが、同じようなことをアレクサンダーを知らない方でも既に練習の中で使っていたりする方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?アレクサンダーさんは元々俳優さんなので【自分を繊細に使うために役立つこと】が原点のアレクサンダーテクニークは演奏する私たちにもそのまま役立つこととして受け入れやすいのかもしれません。

 

最後に・・・怪我の功名的な出来事を。

先日、料理中の不注意で包丁で指をざっくり切ってしまいました(涙)幸い利き手と反対の左指の爪側でしたが、新しい包丁だったこともあり、爪をごっそりもっていってしまい、その下も一緒に削ってしまい・・・痛いです。。。爪がなくなるってこんなに痛みがあるんですね。爪のありがたさを改めて感じています、ホントに。

2日くらいは何もしていなくても、指を下に向けるだけで痛みがありました。今は・・・少し慣れました(笑)ただ、楽器を吹く時に左手の人差し指を押すとその振動でまだ結構な痛みがきてしまいます。2週間くらいでだいぶ痛みはなくなると聞いているので我慢の日々が続きますが、ハーフホールを扱うこの左手人差し指を使わない運指はありません。

痛いのを覚悟でさらっているのですが、怪我をする前よりも何故かスムーズに息が入るという不思議な感じ。もちろん前日の練習の成果もあると思うのです。ただ、面白いこともわかりました。

それは「指のチカラ加減」

結構痛いけど常に押していないといけないキーを扱っている怪我をした指は、最小限の力でなんとかいようとします。だって痛いから。そうするとバランスを取るのか、他の指もいつもよりフワフワした感じに感じるのです。演奏できていたので押せているはずですが、力加減はいつもよりかなり少なそう。感覚もいつもとは違うけれど、動きやすさもあります。怪我の前だって特に動きにくいとは思っていなかったけど、もっと押す力を減らしても演奏できる!という私にとっては新しい発見でもありました。

それと同時に指のチカラが減ると体全体の力バランスも変わるのか、痛いから必要以上に力めないのか、息を出すことにも力みが減ってラクになったような感覚がありました。感覚の評価だけでは難しいので録音してみたのですが、表現したいと思っているしなやかさが前より聴こえていたので悪くはないのかな、と今のところは思っています。

まあ、久しぶりにやっちゃった感満載ですが_:(´ཀ`」 ∠): そこからも何かわかれば少しは救われるかしら。。。

今週は医者に言われたのを言い訳にして「家事休業中」を満喫しています(笑)