こんにちは、ひろみです。
blogでは呼吸の話が続いているのですが、リアルレッスンではビブラートのレッスン、音色を高音まで揃えるレッスンなど、私にとっても勉強になる時間が続いています。
レッスンでうまくいってもいかなくても、もっといいやり方はないのか、と自分の理解をより深めるために信頼できる先生方に相談することは多いです。一緒に探求することで新たな発見も多くあり、どんどん私自身の演奏に返ってくるので面白い。ちょっとしたことがやりたいことをやり易くも、やりにくくもしている自分に気づきます。
さて、生徒さんのはじめに言っていた「腹式呼吸」についてですが、皆さんはどんなことだと「定義」していますか?
私は目指せ!全国大会!!のバリバリ吹奏楽部出身。高校生の頃は受験のために個人レッスンを受けていましたが、普段から学校へいろんな先生が指導にいらっしゃっていて、合奏レッスンを受ける機会が数えきれないほどありました。ある意味恵まれた学校にいたんです。
そこで「お腹から息使って!」という言葉を何度も聞いた記憶はありますが、それがいつの間にか私の中で「お腹を使うのが腹式呼吸」という認識になっていった、というか私は特にそこに自分の考えもなく長い時間受け入れていたように思います。
ちゃんと理解したことじゃないことをなんとなくやり続けた結果、そうじゃないとわかった今でも根強くクセとして残ってしまう、というのは私の体験。(腹筋は吸う時には必要ないはずなのに!!)
その時演奏が出来れば見逃してしまいそうな過剰な力の使い方ですが、回数を、年数を重ねてついに不具合に感じてしまう時が・・・来るかもしれないし、来ないかもしれない。でも、願わくば来ないでほしいので、今考えられるその「種」になっている動きを見直したい!アレクサンダーを知って、自分に対してこんなふうにも思うようになりました。
歳のせいもあるのかしら。。。
無理が出来て、気合いで乗り切って、すぐに回復できる頃にはただがむしゃらに吹いていたので、たとえ出会えていても気づけなかったでしょう。
さて、レッスンの話に戻ります。
普段は胸式呼吸、楽器を吹く時は腹式呼吸を使っている、と言っていた生徒さん。名前が違うと全然違うことのように感じてしまいますが「動き」として見ると、どうでしょう?
普段は意識しなくても出来ている呼吸。でも、管楽器を演奏するにはもう少し多く息を吸いたいし、吐きたい!
その時に、普段の呼吸を大きく使うためにプラスされる動きがある、というだけではダメでしょうか?
普段の呼吸、と一言で書きましたが、これだって人によってだいぶ違っているはずです。だから「呼吸の動きの仕組みを知る」ことで、自分があまり意識できていなかったことについて知ることはきっと役立つでしょう。
・肋骨の位置
・肋骨の動き
・息の方向
・横隔膜の動き
・横隔膜に押された内臓の動き
・それが押し戻される動き
・腹筋を使うのは何をしたいから?
・舌のこと
・鼻のこと
・口の中のこと
・足、脚のこと
・首あたりのこと
楽器を演奏するための呼吸を「腹式呼吸」と定義してしまうと、その言葉からなんだかお腹あたりのことばかり考えてしまいそう。吸うために役立ちそうなことは全身にある。そう考えると、管楽器のための呼吸は「全身呼吸」とか「全式呼吸」とかのほうがいいように思えてきます。
特に「腹式」と言ってしまうための勘違いは多く起こりそうで。【お腹が動くくらいダイナミックな呼吸の動きをしよう】と言いたいだけのはずなのに。。。
・「お腹」が何を指しているのかがわかりにくく、勘違いしている人が多い
→お腹が動くのは、積極的な呼吸をした「結果」だから。吸うをたくさんやりたい時に動けるところはこんなにあるよ↓↓↓(お腹にはない!!!)
→もうあまりいないと思いたいけど、空気はお腹には入りません。ハイ。肺です(笑)肺はもちろんお腹より上にあります。
→「お腹」と呼んでいるのが腹筋の1つ「腹直筋」になっているとしたら、腹筋は息を吐く時に働く筋肉。息を吸う時に働いてしまうと、吸う動きを妨げてしまいます!
(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%85%B9%E7%9B%B4%E7%AD%8B)
・普段の呼吸(胸式呼吸と呼んでいる人も多い、胸のあたりが持ち上がる呼吸)の動きを使っちゃいけないんだと思っている人が多い
→胸のあたり、肩のあたりが動いちゃいけないと思っていて動かさないように呼吸しようとしてしまう、もしくは無理やり肩を下げることを覚えてしまう。
→吐く時にもお腹ばっかり意識してしまって、普通に吐く(肋骨をたたんでくるような動き)を使わないようにしてしまっている。
といろいろ思う訳です。もちろん自分の動きに対しても、です。
呼吸のしくみについて知っていたらやり易くなることは沢山あるのですが、ただ沢山覚えればいいのか、というとそうではないと思っています。
私たちの時代には、レッスンの先生こそが最大の情報源。今ほどは奏法に関する情報を得ることは難しかった時代ですが、今は膨大な情報のシャワーから自分に必要なことを選べる時代。情報を選ぶ難しさを感じる時代でもあります。
自分には何が足りないのか、どんなことを知りたいのか、どんなことにやりにくさを感じているのか、どんなことを目指しているのか!
直接生徒さんの話を伺いながら、動きを見ながら、そこに繋がる情報をどのくらいどうやって出していくのか。そこまで教える側が意図することも私たちはトレーニングしています。
(演奏者のレッスンは、自分のやり方、考え方を音で伝えたい!という全身が刺激される、贅沢な時間。どちらも受けられたら最高ですね!!)