おおきな音とちいさな音のはなし

こんにちは、ひろみです。

レッスンで初心者の生徒さんから「音の大きさをどう変えたらいいのかがわかりません」という質問を受けて始まったことがありました。皆さんの中に同じように思った方はいらっしゃいますか?

私自身のことを思い返した時、記憶にある範囲ではあまり疑問に思ったことがないことだったように思います。疑問には思っていなかったけれど、それで自由自在にやれていたのか?と言われればもちろんそんな訳もなく

やってるつもりとかわかっちゃいるんだけどうまくいかない

と思いながらなんとなく吹いていた時期が長かったように思います。(主に中高生時代)

楽器がある程度上達してくると、表現のための音量コントロールもバリエーションが求められていきます。今まで自分の守備範囲だと思っていたところを超えて「もっと大きく」や「もっと小さく」を要求されるし、(自分に対しても)要求し続ける。その時にはじめて

あ、私感覚でやってきたんだ

ということがわかりました。言葉で表すのは難しいのですが、自分の頭の中にある「こうしたい!」にひたすらカラダがついてくるように訓練して、それをどんな状態でも(緊張しても)引き出せるような訓練もしてきた、という感じでしょうか。それが練習だと信じて疑っていませんでした。

だから、どうやってる??を人に説明するのも難しかったし、自分自身も毎日調子の良い状態にもっていかないとその感覚が引き出せないから、安心して吹けるためのウォーミングアップにとても時間が必要でした。

その頃の私じゃ、この生徒さんの質問には自分の感覚と自分のやってきたことでしか話ができなかったでしょう。

同じ音量でしか音が出せないという生徒さん。弱くしたら音が切れてしまうか音程が下がってしまう

(本人的に)強く吹き込んでも音量は変わらない

ということだったので、まずはおおきな音が出るために必要なことを考えてもらいました。感覚ではなく、これが必要だということを思いつく限り言ってもらいます。これをやると、はじめはみなさん「え?え!?」「わからないです」と言いながらも考えながら答えを絞り出してくれるので、私はそこからもう一歩踏み込むお手伝いをさせてもらうことが多いです。それを実現するために(例えば息をもっと入れるために とか、リードをもっと振動させるために とか)どうすればいい?ということを整理していきます。その過程で多くの方が自分で「あ、これは必要なかった」という力みに気がついてくれるのです。

何かをしようとする時に一緒にやっている無意識な動作がもし必要のない力みになっているのだとしたら・・・それに気づくことでもっと必要なことにエネルギーを使うことができるかもしれません。

息をもっと使うために必要な「吸う」「吐く」という動作の拡大

リードの開きを最大限有利に使いながらリードを振動させるための「口周りの条件」

それらをやりやすくするための自分の「ゆるみ」や「姿勢」

大きな音でやることと逆のことをやる小さな音では、更にリードの開きと息の速さのバランスをどう取っていこうかな?という話もポイントになってきます。

小さい音にすると音程が下がってしまう

小さい音にしようとすると力んでしまう

大きい音しか出ないリード 小さい音しか出ないリード

こんなキーワードで悩んでいたら、一度必要なことについて整理して考えてやってみることをオススメします!!私はこの辺りのことが自分の中で整理できたことで演奏箇所で「コワイ」と思うことが格段に減りました。必要なことをやる、という当たり前のことを「感覚」ではなく「演奏のその瞬間にやり続けるということを訓練する」ことで音楽に集中できる自分を再発見してほしいです。