私の原点〜バッハを演奏すること〜

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こんにちは、ひろみです。
先日はこちらの演奏会に出演しました。

このオーケストラは芸大の学生だった頃に所属していたバッハカンタータクラブの仲間が中心になって結成されています。今ではスーパープレイヤーの集団ですが、私が初めて出演した時にはまだ学生で、カンタータクラブの延長のようなお仕事でした。学生時代から顔馴染みのメンバーと毎年(数回出られない時はありましたが)クリスマスオラトリオを得意とするこの合唱団の皆様とずっと御縁があり17年。完全に私のライフワーク。自分が迷っていた時、何かにこだわっていた時、毎年受ける仲間からの刺激がプレッシャーになったり心地よかったり、自分の成長や仲間の成長を肌で感じながらの17年。私の音楽の原点になっていることは間違いないです。

楽器の操作や音楽を表現することに少しだけ自信が持てるようになった大学四年の頃、バッハやヘンデルのトリオ・ソナタを師匠と何曲も演奏したことがきっかけで、もっとバロック音楽を師匠のように自由に吹きたい!と強く思うようになりました。大学院に進学し、芸大には歴史のあるバッハカンタータクラブという場があることを知り、私も!という想いで入部しました。とにかくバッハを中心にバロック音楽を沢山演奏したかったから。

バッハのカンタータやミサ曲にはオーボエが大活躍します。私はモダン楽器でしか演奏しませんが、オーボエだけでなく、オーボエダカッチャ(イングリシュホルン)やオーボエダモーレも多く登場し、楽器の準備も忙しい。そしてどの楽器も同じようにソロがあり、歌がある。

カンタータの譜面はそんなに難しくない場合が多いですが、(もちろんそうでないこともあります!)1つ1つのフレーズに歌があり、意味があり、物語がある。様式もあるし、和声もある。それを実現するための発音や音程はそれはそれはシビアな世界。そんな決まり事の多い譜面からそれを制約にしないで表現に繋げていくことの美しさ!!そんなことに魅せられているうちにどんな時代の音楽でも同じなんだと気づき、いろんな音楽を演奏出来ることをとっても幸せに思う訳です。

さらっと書きましたが、想いを実現するための技術についても毎年考えさせられています。自分への要求が上がった時、それに対応するために自分は何をしなければいけないのか。より繊細に身体と心が音楽へ向かうために。あと、今回のマタイ受難曲は演奏時間も長く(演奏時間だけで3時間を超えます!)1オケオーボエセクションが受け持つアリア(ソロ)も多いということもあり、身体に優しい姿勢や奏法は演奏のクオリティーに直結します。

17年目にして初アレクサンダーを取り入れた私の感想をレポートします!